「好い奴だったよ」
「明るい奴」
「寂しくなるなァ…」
「死んだ途端此れだ。偉ェ美談。好かれたい奴ァ早くおっ死ぬのが得策かもな」 「…んな事言うんじゃねぇよ。ぶった斬るぞ」 「斬るだァ?出来んのか?手前に、俺が」 「なんなら、今此処で遣ってやろうか?早死にしてぇのは御前だろうが。斬るったら斬る」 「無理だ。褒めて認めて欲しいんだろ、俺に。大見得張るのは得策とは云えねぇなぁ…」 「黙ってろてめェ。二度と、死ぬのが得策なんつー科白、クチにするな」 「白夜叉だったら其れも無縁の話か。鬼は怖いねェ、生きても死んでも夜叉は夜叉だ」 「…如何しても黙れないっつうなら、其の減らず口を斬って無くしてやる」 「怖や。其れじゃ黙るとしようかねぇ。誰でも命は惜しいもんだ。…人間ならな」 |
20100130 恭