[皆笑ってくれないんだよ。俺はこんなに、ニコニコしているのに。楽しくもないのに無理矢理笑顔捻り出してまで]
「あー…お得意の殺しの流儀ってヤツ?…団長よォ、そんな流儀通用しねぇよ。誰にもな」
「うわあ、阿伏兎、酷い。傷つくなぁ俺。しくしく」
「嘘泣きすんな…。だって、考えてもみろ、闘ってる時相手がにやにやにこにこしてたらどう思うよ?俺はやだね。寒気がする、つうかアンタのえげつない闘いっぷり間近にしてそんな微笑み返す余裕があるヤツが何処に居るよ、鳳仙は死んだし、…あとは星海坊主か、御前の親父」
「胸糞悪いなぁ、止めてくれる?其の名前出すのは」
「へいへい、そりゃあすいませんでしたねぇ」
「居るよ。あの男ならきっと俺に笑顔を返してくれる」
「誰だ。一応聞くが」
「解ってる癖に」
「…」
「大丈夫、あの男なら」
「まぁたソイツの話か。…何かホモみてェだぜ、団長、ソイツの話ばっかして…あーサム」
「ハハ、そうかもね。恋かも」
「笑い事じゃねぇよ。俺ァ御免だぜ、上司がそんな変態性癖の持ち主だなんて」
「別にヤりたい訳じゃないんだからいいでしょ。…まぁ、ソレであの男が強くなるっていうなら、幾らでもヤるけど」
「…オイ」
「だってね、彼なら笑ってくれる気がするんだ。俺に笑い返してくれる気がするんだよ死ぬ間際にでも。だから俺は次あの男に会ったら彼に極上の笑顔で微笑みかけるね、そして笑顔を返してくれるまで、彼が動かなくなるまで、心の臓が完全に止まるまで、この恋が実るまでメッタ刺しにするんだよ。ヤツの身体を。アハハハハハ楽しそうでしょ?」