@恵方巻きは目を瞑って黙って食べましょう
「おい、銀時。外でろ。鬼は外だってよ」
「るせぇよ、テメーが外でろ」
それより恵方巻き、ヅラが貰ってきたぜ。生真面目バカでも、奮発してたまにゃあ粋な事しやがる
「へぇ。あのヅラがねぇ…」
「手前の分。食べろよ」
にやにやにやにやにや
「…ちょ、何か嫌な予感してきた」
「何言ってやがるいいから食べろ。わざわざ届けてやったんだぞ」
「オーケイ。じゃあ、もう届けたから、俺に用は無い訳だ。ばいばい」
「つれねぇなぁ」
「御前のその笑み見て良い事あった例が無ェんだよ」
「人を鬼扱いしやがって」
「ああ、俺にとっての鬼さんは間違い無くテメーだ。豆があったらぶつけてやりてぇ。さっさと退散しろ」
「可愛くねぇぞ」
「ああ、なくて結構。もう帰れよ」
あむ。
「…(にやにやにや)」
「…(じろり)」
「睨むなよ。眼福拝ませて貰ってるだけじゃねぇか」
「殺すッッ」
「あ、喋りやがった。いけねぇんだ。あとな、恵方巻き食う時は目も瞑んなきゃダメなんだぜ」
「…(じろ)」
「んだよ。警戒しやがって。何もしねぇって」
「…(目を閉じる)」
 もぐもぐ、ごっくん!
 ぱちっ
「う…うぎゃああああああっっ!!ちち近い!バカ!」
「何もしてねーよ。こうやって見てただけだろうが」
「にしたって近いわ!ありえねーわボケ!」
「うるせェ。いいから目ェ閉じて黙って食わせろ。こちとら腹ペコペコだってのに」
「何を食う気だァァァァァ!!!!」





A鬼役の人には優しくしましょう
「いだだだだだだ!テメッ 神楽ァ!力いっぱい投げすぎなんだよ、ちょ 待て待て待て 死んじゃう!銀さん、豆に身体貫かれて死ぬ!」
「何言ってるアルか、豆で死ぬ奴なんか聞いたことないネ」
「いや、君にかかれば豆も弾丸だからね、彷徨える青い弾丸だからね、あ、もうコレ死ぬってェェ!ガトリングガンじゃねぇかコレ!!もうやってられるかァァアア!!」
「あっ新八ぃぃ 鬼役が外に逃げてったアル!!急いで追いかけるネ!地獄を見せてやるぜフッフゥ〜」
「何か銀さんが不憫になってきた…」


「はあはあ、ったくやってられるかってんだ。神楽のヤロォ、あとで覚えてろよ…って、アレ?アレアレ〜、マヨ男じゃん。何やってんの?こんなトコで」
「マヨ男じゃねぇよ糖分ヤローが…テメーこそ何やってる。こんな夜に」
「いや、節分じゃん、今日。鬼役は辛ェの何のって…まさか、テメーもそのクチ?そのお面」
「ああ。全隊士に豆を投げられる苦痛…半端じゃねェ」
「(げらげらげら)日頃の恨みがたまってんだろ!なぁ、鬼の副長サン?ひひひ」
「テメッ笑ってんじゃね…」
 ドッカ〜ンっっっ!!
「見つけましたぜ、土方さんもとい鬼め。さあ、大人しく退治されて下せェ、この豆で」
「総悟ォォォォ!!だからバズーカ砲は豆じゃねぇっつってんだろ!そんなん当てられたら死ぬから!」
「それこそが俺の望むところでさァ。せーの、鬼は〜死ね〜 ゴフッ」
「か、神楽ぁ?オメー、何でここに…」
「あ〜銀ちゃんもとい鬼発見ネ!覚悟ォォォ」
「ちょ、待てチャイナ娘。俺の頭踏み台にするたあ、いい度胸じゃねぇか。今日こそケリつけてやるぜィ」
「あ〜ん、私とやる気か?ふん、今日こそ跪かせてやるヨ」
「そりゃこっちの台詞だぁぁぁぁ!!」
「んだとこのヤロぉぉぉぉ!!!」
 ドカッバキッどかーんがらがらグシャッ
「…」
「…」
「…(ぽん…)お疲れ」
「…おう」
「お互い大変だな」
「おう」
「…まぁ、アレだ、飲みに行こうぜ、鬼同士。オメーのおごりで」
「どさくさに紛れて甘えてんじゃねーよ、割り勘だ」

 

 

 

20100203