「貴方の名前を」
人にモノ訊ねる時ァ自分から先に名乗れ
「職業は」
…
「貴方の過去・経歴を教えて下さい」
聞いてどうする
「どうして壊すのですか?」
壊したいから壊す。それだけだ
「どうして壊したいのですか?」
俺がそう思うだけの話。手前には関係ねェ
「では桂さんや坂田さんとはどういった関係なのですか」
…
「同志でないなら何なのですか。友人ですか」
…
「桂さんをどう思っていますか」
煩ェ小姑じみたヅラ男
「では坂田さんは」
腑抜けた阿呆
「桂さんの事は好きですか」
嫌い
「どうしてですか」
手前に云った所で解せんだろうよ
「では坂田さんの事は好きですか」
嫌い
「何故ですか」
馬鹿は死ぬまで治らないから
「今の桂さんを見てどう思いますか」
いつもあのヤローは白髪バカに絆されやがる
「昔からそうなのですか」
白か黒かと問われれば必ず白を取る
「今の坂田さんを見てどう思いますか」
見る影も無ェ
「何と比べて?」
夜叉
「どうしてそう思うのですか」
弱くなったから
「どうして彼はそうなったんだと思いますか」
護る等と戯言をほざいているから
「何故貴方は護らないんですか」
必要が無ェ
「貴方が護りたいと思う方は居ないんですか」
…
「貴方は何が望みですか」
全てぶっ壊す
「桂さんも?」
ああ
「坂田さんも」
ああ
「そうして全て壊した時、何が待っていると思いますか」
完全なる無
「貴方はそこで何をするのですか」
何もしない
「なら何故壊すのですか」
結果なんざどうでもいい。その過程が肝要なんだ
「今会いたい人は誰ですか」
…
「自分を親不孝ものだと思いますか」
…
「一つだけ望みが叶うとしたら何をしますか」
絵空事だろ
「過去に戻りたいと思った事がありますか」
…昔はな
「今は」
思わない
「何故ですか」
手前に云う必要は無い
「愛している人は居ますか」
居ない
「憎んでいる人は居ますか」
居ない
「居ないのに総てを壊すのですか」
居ないからこそ壊すんだ
「嘘が好きですか?」
ククク、疑うのか?俺を
「これまでの貴方の発言に嘘はありますか?」
手前が嘘だと云うんなら其れは嘘だ
「其れ、というのは私の発想の事ですか、それとも貴方の発言の事ですか」
さあ?