飲み屋で偶然会った。ここ最近御無沙汰していた。任務が立て続きで多忙の日々が続いていた。
久しぶりだなぁ、と赤い顔して微笑みかける顔。もう相当酔っている。だから自分も酔って遣ろうと思った。 夜は更ける。年々時間が経つのが早くなってゆく。春かと思えば夏、夏と思えば秋、秋と思えば冬、冬と思えば一年は終り。 白髪はどうでもいい話ばかりする。何時もは其れで満足している筈なのに、今日は何か物足りないと感じる自分が居る。目線の先。平生目立たない癖にこうしてみると長い睫。覗く鎖骨。白い肌はきっと吸い付けばすぐに鮮やかな華を咲かすだろう。 ハナシ、聞いているのか、と聞く白髪は怒ってぎゃんぎゃん喚いているが、そうすると自分は少し上の空だったらしい。聞いてる聞いてる、バッチリ、適当に生返事を繰り返すと更に喚き出す声、五月蝿い。塞げばどうなるだろうか、頭の片隅で考えた。口で塞いでやるのだ。舌で歯列をなぞってやる。おんなとは縁の無さそうなこの男はどういう反応を返すか。きっと為す術も無い。 最後におんなを抱いたのはいつだ。欲求不満なのか、俺は。 いけ好かない男の筈。俺はコイツの事が大嫌いな筈。何だって、こんなゴツい男相手に… 次、飲みに行くぞ、と白髪。まだ飲む気か、へへーん今日は御前の奢りだもんね、…誰が奢るっつった、や、俺が決めた、…絶句。 |
次は何時かと問う君の目に 答えられずに抱きしめる